研究ワーキンググループ

グリーンコンポ WG(Green Composites WG)

主査:加藤木 秀章(実践女子大学)

設立趣旨

周知のように,20世紀における大量生産,大量消費および大量廃棄は,地球資源の枯渇化,廃棄物処理をはじめ,大気汚染や地球の温暖化など地球規模的な環境破壊をもたらし,人類の存亡にも直結する新たな環境問題を産んだ。そのため,ここ数年の循環型社会形成推進基本法や資源有効利用促進法,各種リサイクル法等の制定にみられるように,国や地方自治体の後押しの下に環境・資源・エネルギーを保護する研究・技術開発の確立が強く求められている。このような観点から,大学や企業ではすでに製品の再利用や原材料へ循環させるリサイクル技術の開発など,材料リサイクル率を向上させるための研究が活発に展開されていることは言うまでもない。例えば,各自動車メーカーはリサイクルに配慮した“環境にやさしい製品開発“を進めている。独ダイムラー・クライスラー社のココナッツやトヨタ自動車のケナフによる天然繊維使用は,その格好の例である。天然繊維は軽くて強いという利点に加えて,太陽エネルギーによって成長の絶えない持続可能な資源である。したがって,これを有効に利用する研究・技術開発は今後到来する循環型社会において益々発展するものと期待されている。 このような状況を鑑み,日本材料学会複合材料部門委員会では,平成14年11月19~20日に当該分野では初めてとなる国際集会「International Workshop on “Green” Composites」を徳島大学にて開催した。この集会において10件の講演(招待講演2件含む)があり,また参加者は23名にのぼった。本講演10件中9件は天然繊維に関するものであり,天然繊維を使用した複合材料研究の先端をまさに披露した集会であったと認識している。本集会において参加者間で活発な議論が行なわれるとともに,この分野の必要性と今後の更なる発展を互いに確認した。以上の背景より,1月17日に開催された当部門委員会の平成14年度下期運営委員会において,天然繊維を使った複合材料の開発とその性質評価に関するワーキンググループ設立の必要性について議論され,承認を得た次第である。

量産車用コンポジットの開発 WG

主査:田中 和人(同志社大)

設立趣旨

近年環境への配慮から自動車車体軽量化の推進が望まれている。また、乗員の保護の観点 から高強度化、高エネルギー吸収性能が求められるなど相反する要求がある。現在のところ高張力鋼板および高強度アルミニウム合金の使用が主流であるが、CFRP を用いることにより従来の金属製車体に比べ大幅な軽量化および高エネルギー吸収性能を持つ車体の製造が可能であると思われる。レーシングカー等一部特殊な車両には CFRP の優秀性が認められているが、量産車両では成形方法、コスト等の解決すべき問題が多くある。本研究プロジェクトでは CFRP を用いた軽量かつ安全な量産車両車体の設計・製造の基礎技術および応用技術の開発を目指す。

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